毒親問題~慈母と鬼母~

【前編】

仮説:世にいう「毒親」が、実は素晴らしい親ではないか?

この本を書くことで、検証できないまでも、何かを示唆できるのではないか?

母娘問題カウンセラーとして、いわゆる「毒母」に苦しむ多くの娘たちに出会ってきました。繊細で健気な、何とも愛しい心を持った娘たち。一人一人の顔を思い浮かべるとき。この素晴らしき娘たちを、世に送り出した母たちは立派なものだ。

肉体を差し出し、胎内にあずかり、この世界に送り出してくれた。虐待やネグレクトがあったとしても。その娘が今も生きている。それが「母」の偉業を証明する、と考えた。

また「息子」の場合も。「毒母」のおかげで素敵な男になった可能性がある。ストイックで精神的に独立している男たちに共通する「何か」。その「何か」の土台に「毒母の存在」が関係しているように思われる。

冒頭の仮説を追う、もうひとつの理由は。 「毒母の娘たち(だけ)を、深く傷つける女たち」の存在。その女たち特有の、無意識の牙に、なぜか毒母の娘たちはグサッとやられる。

その女たちというのは、誰もが認める「いい人」で、「いい母」に育てられた。決して誰かを傷つけたしない。と大抵の人が思うだろう。ところが。 この「いい人」「A」と、「毒親育ちで曲がってしまった人」「B」が出会ったとき。「A」が「B」を傷つけることがある。しばしば。

この仮説をご理解いただくため、架空の人物を創作した。「A」タイプの華乃(はなの)さんと、「B」タイプの雪花(ゆきか)さんのである。

【Amazonレビュー投稿より】

yb様
★★★★★
2021年4月26日に日本でレビュー済み
どんな親でも、子を産み育んでいる。脈々と受け継がれる母から娘へのバトン。そんなシンプルなことを考えました。親に育ててもらった自分は、確かに良くも悪くも母の影響を受けている。でも、他人も同じであることを知ると、人間理解が少し深まり、生きやすくなるのかもしれない。後編を楽しみにしています。

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【後編】

母娘問題カウンセラーとしてお会いした、「毒母」に苦しむ娘たち。彼女たちがこんなに素敵なのは、もしかしたら「毒親」のおかげなのではないか?世間がイメージする「理想の母」が、本当に「いい母」なのか?

いい母なんて存在するのか?
いい母なんて必要なのか?

すべての「母」は「女神」なのでは?

「子」が経験を重ねながら育っていく。
そばにいる「母」は、「いい母」であるべきなのか?
世間で「悪い」と言われる「母」こそが、実は得がたく素晴らしい存在なのではないか?

どこから見ても善良な「慈母」の娘、雪花(ゆきか)さん。
なかなか色々と難しい「鬼母」の娘、華乃(はなの)さん。

いずれも架空の人物です。

雪花と華乃は、勤務先の東京都品川区にある某美容系皮膚科クリニックで出会った。院長先生、エステティシャン資格のある看護師7名。そして受付事務が雪花と華乃。

2人は、どうにもこうにも気が合わない。気が合わないなら、なるべく気にしなければいいのに。互いに気になってしかたがない。

正直でナチュラルな雪花。うそつきで自意識過剰の華乃。当然、華乃が雪花をいじめるパターンである。しかし実は雪花が、華乃に深く傷つけられてしまう。雪花には理由がわからない。華乃だって雪花が苦手だが、傷つけているつもりはない。

2人のあいだに、何か起きているのか?

【Amazonレビュー投稿より】

Chisato様
★★★★★
2021年5月29日に日本でレビュー済み

後編を楽しみにしていた。母娘は合わせ鏡。慈母系、鬼母系の娘たちもまた互いを映す鏡のよう。オーガニック、煙草、嘘、努力、コンビニ、好きな色など嗜好や思考の違いを際立たせ、本質に迫る。そして本書が鏡のように自分の心をも映しだす。毒にも薬にもなる面を持つ母。その母のもとで育った娘たちへの著者の温かいまなざしを感じた。

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