出版社から出版すること=商業出版
…と思っていませんか?
商業出版のイメージって、どんな感じでしょう?
平積み(表紙が見えるように積み上げられている状態)
書店員さんのポップアップ
書店店頭でのサイン会
新聞広告やウェブ広告
そんなイメージでは、ありませんか?
あい出版クライアントさんの実例
クライアントAさんは、出版社から「商業出版しませんか?」とお声がかかり、嬉々として原稿を仕上げました。
しかし最終的には、出版社さんとのご縁を切り、kindle出版されました。
またクライアントBさんは、出版社からの出版を達成されています。
実はこのとき、借金が発生していたのです。
出版後も出費が増えるばかりで、ご両親の援助を受けて返済しました。
この経緯を土台に、現在はご両親への感謝を込めたkindle出版を準備中です。
商業出版、自費出版の基礎知識
出版社から出版すると、商業出版
自分でお金を出すのが、自費出版
…これは、誤解を招く説明だと思っています。
出版社から出版された本であっても
実は
①制作・広告費その他を全額負担する、事実上の自費出版
②費用を一部負担する協同(共同)出版
③本当の商業出版
の三種類があります。
③は、出版社サイドが「確実に利益が出る」と判断した結果、著者に執筆を依頼するというパターンです。
既に出版実績のある作家さん、ブログやYouTubeフォロワー○○万人というような著者をイメージしていただくと、分かりやすいと思います。
そのような著者さんであっても、初版(初回の印刷部数)の印税はゼロ。
増販(初版と同じ内容で印刷部数追加)
あるいは重版(一部修正後に印刷)があった場合
印税収入が発生する、というケースも多いようです。
本を出版したい、と思っている人にとって、出版社の編集担当者さんから「出版しませんか?」というお誘いは、たいへん魅力的です。
さらに「自費出版では、ありませんよ」と言われたら、もう夢心地。
しかし、ちょっとした説明不足から、勘違いを招くことがあるのです。
協同(共同)出版
あなたが、出版経験がなく、SNSで何万人ものフォロワーもないのに、出版社サイドから声をかけられたとしたら…。
それは
協同(共同)出版かもしれません。
協同(共同)出版とはいえ、本に出版社名が記載されますから、出版社の基準を維持する必要があります。
出版社が「確実に売れる」と判断した場合は、本当の商業出版へ。
出版社が「売れるかも?」と判断した場合は、協同(共同)出版へ。
これが一般的なコースだと思っていた方が良さそうです。
協同(共同)出版の場合、出版社主導で、著者の費用負担についての協議があります。
著者の費用負担には
A:制作費を負担する
B:宣伝費を負担する
C:著書が買い取る
の三種類があります。
A:著者が製作費を負担する
制作費とは、編集・校閲など人件費、デザイン料、印刷費など、実際に本を作るためにかかる費用です。
出版社の基準を満たすため、編集者や校閲者が必要になりますし、表紙や本文レイアウトを担当するデザイナーも欠かせません。
出版社から出版するためには、出版社の意向に従う、つまり出版社が必要と判断した制作費が発生するわけです。
発生する制作費は、企画の規模やタイプによって、ピンキリなのです。
たとえばムック本(雑誌のような単行本)なのか、画集なのかでは、紙質が全く異なります。
インクも違うし、装丁(カバーや扉、箱など)も変わってきます。
これが印刷費。
少なくとも数百万円は覚悟した方が良さそうです。
B:著者が宣伝費を負担する
ウエブ広告、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・電車・街頭などの広告費を著者が負担する場合もあります。
また、全国の書店を巡るキャラバン旅費・交通費・ホテル代なども、宣伝費に含まれることがあります。
帯に、著名人のコメントなどを掲載する場合の謝礼なども、宣伝費に計上されるケースもあります。
あとは、販促用品ですね。
特製クリアケース、しおり、ポスター、等身大の立て看板、などなど。
本の売上アップのために発生する費用ならば、ほとんどが宣伝費になるわけです。
C:著書が買い取る
著者みずから書店に出向き、あるいはネット書店で、自分の本を購入する前提で、出版契約が結ばれることもあります。
ベストセラーの評価を得たり、ランキング上位を維持するには、継続的に売れ続けなくてはなりません。
発売直後から、出版社の営業担当者さんと一緒に書店へ赴き、100冊単位で購入するという感じです。
これを定期的に続けるわけです。
購入費用の他に、購入した本の配送料や保管料も、著者が負担することになります。
資金に余裕はありますか?
制作費、宣伝費、買取り費用を負担する覚悟があったとしても
本が売れるかどうかは、誰にも分かりません。
幸運にも本が売れて、増販がかかったとしても
著者の手元に印税が入ってくるのは、半年~1年後というのが普通です。
制作費は、前払いが原則となります。
初出版に手持ちの資金を全て投入したり、借金したり、というのはおススメできません。
ギャンブルみたいなものです。
まとめ
私たちが書店で目にする本の中には、著者の自費出版、著者の一部自費出版があります。
見たことも聞いたこともない著者の本が、書店の棚に小さく背表紙だけを見せて並んでいたとして、手に取ってもらえるかどうか…。
平積みになっている本は、出版社サイドの戦略に基づいて、戦略通りに作られた本である可能性が高いのです。
また、「自費出版ではありません」というのが必ずしも「本当の商業出版」ではなく「協同(共同)出版」かもしれない。
ということを知っておいていただきたいと思います。
※私がkindle出版をおすすめするのは、安心安全、丁寧な本づくりが可能だと思うからです。
※kindle出版でも、紙に印刷した本(ペーパーバック・オンデマンド)の出版が可能です。
出版、kindle出版について、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
\心よりお待ちしております/