親孝行出版

最高の親孝行とは「親の人生を、じっくり聴くこと」だと、人生の大先輩からガツンと言われました。

お父さん、お母さんの人生について、じっくり話を聴いたことがありますか?

親孝行できない私ですが、親孝行の伴走ならできそうです。

こんなプランを作ってみました。

 

親孝行のための出版


1)ご自身へのインタビュー

感謝の気持ちや、言えなかった不満。楽しい思い出、悲しい思い出。あなたの想いを何でもお話しください。事前に質問リストをお届けしますので、心の準備ができます。


2)お父さん、お母さんへの説明

ご本人に同席いただき、実行委員会が、本の趣旨や作業の流れをご説明します。

 

3)お父さん、お母さんへのインタビュー

原則としてお一人ずつインタビューさせていただきます。思い出の写真や記念品などがあれば、ご用意ください。

 

4)初回インタビュー内容のテキスト化

録音したインタビュー内容を、文字にしてお届けします。読んでいただくことで、忘れていた記憶が蘇ると思います。

 

5)2回目のインタビューとテキスト化

2回目のインタビューを行い、初回分と合わせて文字にしてお届けします。この内容を基に本をつくるか、再度インタビューを実施するか、ご判断いただきます。

 

6)本のテータ作成

原稿作成、写真等の挿入、表紙デザインなどの作業に、しばらくお時間をいただきます。

 

7)原稿・表紙等の決定

ご家族みなさんのご意見を反映しながら、最終データを作成します。

 

8)本の形態を決定

個人的な印刷物とするか、出版(販売)するか、などをご相談します。

 

9)本の作成

上記8の選択により、この後の工程が変わります。

 

という感じです。

ご希望がありましたら、お知らせくださいませ。

 

親孝行出版の事例

こじれた親子関係

親孝行の伴走をしながら、出版に向けて歩んだエピソードをご紹介します。

 

ご依頼のあったとき、親子関係は相当に、こじいれていました。


ほとんど会話がない。


お父様の体調がとても悪くて、緩和ケアに入ったタイミングでご相談がありました。

 

「今から親孝行出版、間に合うでしょうか?」と。


はい、間に合います。


っていうか、もう、間に合ってるのです。


「父の話をちゃんと聴こう」と、子が思った時点で、間に合ってますよね?.

 

...と思うのですが、いかがでしょうか。

 

インタビュー前のご挨拶

とにかく一度お会いして、お話を聴かせてください。

 

ということで、ご挨拶にうかがったところ、もはやこれは、出版するとかしないとか、関係ありませんでした。


この出版は、時間の制約が厳しいのです。

 

早くにお母様を亡くされた、ひとり息子さんがお客様で。

 

お父様の命が、あとわずかなのです。


お薬を強くすれば痛みは緩和しますが、お話ができなくなってしまう。

 

痛みを覚悟で、お薬を弱くして、とても辛いはずです。


でもね…。

 

もう何十年も親父のこんな顔、見たことない。って、息子さんが言うのです。


笑顔なんですよ。ほんとに穏やかで、柔らかな笑顔。


もうね、参りました。


言葉は少ないけれど、たっくさんの想いが伝わってくる。


奥様(お母様)への、息子さんへの謝罪と感謝。


今、こうして、つながっていること。

姿のないお母様も、ここに一緒にいて、家族三人で笑っている。


あぁ、そうか。


亡くなった親にも、こうして感謝できるのか。

 

亡き親への最高の親孝行とは「親の人生を静かに思うこと」でもあるのかな、と思いました。

 

インタビューの日

 

その日お部屋に伺うと、お父様の痛みが強く、とても苦しそうで。

今日は失礼しようか、それとも別室で息子さんのお話を聴いてみようか。

 

迷っているところに、救いの女神が登場したのです。

 

亡くなったお母様の妹さん(叔母様)です。

 

共通の知人から義兄の病状を知らされ訪ねていらしたそうです。

 

義兄(お父様)、甥のM氏(私のお客様)とは、もう何年も会っていません。

 

姉(お母様)の葬儀でちょっとした騒動があり、それ以来、交流が途絶えていました。

 

ご挨拶だけで帰ろうとした私を引き留めたのは、その伯母様です。

 

本の企画に賛同してくださったS様(伯母様)が

 

「私が、一肌脱ぎましょう。まかせなさい」…と。

 

「Mちゃん(50代の甥、ちゃんづけ)、私の言うこと聞きなさい!」

 

「Mちゃんが知らないこと、たくさんあるんだから。」

 

呼吸すら辛そうなお父様も、うんうん、と頷く。

 

いや、それからは、もうS様の独壇場です。

 

衝撃の秘話あり。

爆笑あり。

涙あり。

 

主治医のストップがなければ、終わらなかったと思います。

 

ラウンジへ移動し、M氏、S様とコーヒーをいただきながら延長戦です。

 

S様、止まりません。

 

身振り手振りも勢いを増し、どんどん熱がこもります。

 

霊界からのメッセージ

 

そのとき。

 

M氏の表情がサッと変わりました。

 

S様は気づかず話し続ける。

 

M氏は、震えています。

 

何か、とんでもないことが起きているらしい。

 

そしてM氏が一言。

 

「母さんの声だ.....。」

 

「えっ?」

 

「叔母さんの声じゃない。母さんの声です、これ。」

 

M氏は驚きで硬直しています。

 

私は私で、何とも言いようのない、ボーっとする感じに全身を覆われました。

 

そういうこと(霊界からのコンタクト)が起きたのだと、やはり思うのです。

 

しかしS様が「でね、そのときさ…」と、何ごともなかったかのよう話を続け

 

そのできごとについて、M氏も私も、何も言えなかったのです。

 

あれから一度も、その話はしていません。

 

私はS様のお話を文章にし、、M氏はそれを、父の枕元で読む。

 

うんうん、と頷くこともあれば、涙を流すこともあるそうで、ときに小さく微笑んだりするそうです。

 

濃密な、悲しく美しい、父と息子の時間です。

 

残された時間は、もう、あと少し。

 

最高の親孝行

 

最高の親孝行とは「親の人生の話を、じっくり聴くこと」です。

 

今まで聴いたことのない父の人生、母の人生。

 

「聴いてみよう」と思ったところで、なかなか言い出しにくいものです。

 

・インタビュアーという他人を間に挟こと

 

・本をつくる、という目標を置くこと

 

…が、親孝行実現のきっかけになれば、と願っています。


M氏のお父さんは間もなくこの世を去るでしょう。

 

M氏のお母さんは、すでに亡くなっています。

 

けれど。

 

このインタビューを通じ父と母と息子家族がつながり、想いを交わしました。



M氏の叔母さんが女神として登場し、不思議なできごともあったりして、。

 

他人の私まで、この親孝行にちょっぴり関わって。


あぁ、いい時間だった。

 

M氏のお父さんは一代で起業して成功した人物です。その商品はユニークで、ちょっと有名な方なのです。

 

息子を後継者に、という気持ちはあったかもしれませんが、会社が息子の人生を邪魔するかもしれない、と、病気が発覚した時点でさっさと廃業してしまった。

 

息子のM氏にとっては、ありがたくもあり、また寂くもありました。

 

なんで相談してくれないんだよ!…みたいな気持ちですね。

 

「お義兄さんの優しさは、分かりにくいって、姉さんもよく、ぼやいてたのよ。私もほんとにそう思うわ。お義兄さん、言いたいことは、ちゃんと言わなきゃだめよ。Mちゃんも、お義兄さんに似て、はっきり言わないからねぇ。」

 

という感じで叔母さんが、ちゃっちゃと片づけて、父と息子の、わだかまりもスーッと消えてしまったような気がします。音信不通だった叔母と甥の関係にも、変化がありそうです。

 

お父さん自身の言葉は、ほとんど収録できないままインタビューを修了したのですが、も悲しみと喜びが、ぎゅーっと凝縮して、なんだか爽やかな感じがあるのです。。

 

叔母さんは、まだまだ話し足りない感じなので、またお話を伺う機会があるかもしれません。

 

とにかく今は、父と息子の時間をそっと見守るだけです。

M氏は今のところ、出版を望んでいません。


私的な印刷物すら、必要ないそうです。

 

もう、それより大事なものがあるから、と。

 

「TOMOKOさんが書いてくれた叔母さんのセリフのまんまの、あの原稿で十分です。っていうか、あれが自分にとっての本ですから」…と。


録音の文字起こしなので、「うんうん」とか「あ、それでさぁ」とか全部入れてあります。そういう間合いにも意味があると思うから。


文字にすることで、音声データとは違う何か特別なものになる…のかもしれません。

 

その文字起こしだけが、私の手元に残った記録。


「いつかTOMOKOさん、書いてくださいよ。泣ける小説とかで使ってくださいよ」なんて言われたら、こっちが泣いてしまいますよ…。

 

いつか、書けるでしょうか…。

 

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