「神やん」というシリーズ本の紹介をしています。
今日は第4巻。
月子のメール・カウンセリングは一件の相談について5回返信します。かつて、チャット相談も受けていましたが、自分には合わないと感じ、やめました。
5回という回数には、月子なりの決意があって、ずっとそうしてきました。何かひとつ、小さな光をみつける。区切りをつける。次へ進む。きっぱりと、さっぱりとした関係に、できる限りの愛をこめてきたつもり。
ところが。
今回の相談者である多賀子さんは、そうはいかなかったのです。
リピート相談は、よくありますが、ほんのわずかな光も見えないまま、5回目が終わったのは初めてのこと。まいりました、多賀子さん。こんな人も、いるんですよね。
ご参考までに、読者の方からいただいたレビューを転載します。
「相談内容をうまく説明できない相談者の対応は難しいもの。カウンセラーの月子さんは、その沈黙にうまくつきあって、答えを引き出していきます。提案や質問をせず、ただ隣にいて寄り添う。そういう基本の大切さを思い出させてもらいました。」
月子はただ、多賀子さんの隣にいようとしました。
ただ隣にいる、それだけが月子のできる唯一のことでした。
メールカウンセリングにおいて、ただ隣にいる、というのは至難の業です。
でも月子は、それだけを、したのです。
計10回のメール交換は、互いのもどかしさに、わずかな光を与えます。
そのプロセスを感じていただけたら、と思います。
神やんのこと、月子のことも、色々わかってきます。