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【ぼくは宗教二世でした】TOMOKO編集書籍の紹介

宗教2世という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

親が信じる宗教に入信している子どものことです。

 

この本の著者である吉田弘人さんは、かつてエホバの証人の信者だったのです。

 

 

【ぼくは宗教二世でした】TOMOKO編集書籍の紹介

 

 

現在の吉田弘人さん

吉田さんは「総合探偵社さくら」という会社の社長さんです。

本社は新宿御苑の近くにあります。

 

地元の大阪、沖縄の伊良部島(宮古諸島の一部)と、三拠点を飛び回るお忙しい日々。

 

探偵業は東京・大阪がメインで、伊良部島ではゲストハウスを運営していらっしゃいます。

オーナー吉田さんが、伊良部島にいるときだけの限定営業ですが、いつも大人気のゲストハウスです。

 

「伊良部島の圧倒的な美しさは、とても言葉では言い表せません。

 

ここ(写真左)は、観光ガイドには載っていない、ほんの数人しか知らない特別なところです。

 

ぼくのところに来てくれた人を、ここに案内するのが、いつも楽しみです。

 

島では畑仕事もします(写真右下)。

半年前に植えたバナナが、こんなにおっきくなって。」

 

「この圧倒的な自然に囲まれた離島にいると、日頃の悩みを忘れてしまいます。

広い海を見ていると、人間はちっぽけな存在だと感じます。

この雄大な自然界と自分もつながっている。

自分も貴重な存在なんだ、と感じられるようになりますね。

ぜひ遊びに来てください。

ただ海を眺めているだけで、自己肯定感が上がりますよ。」

 

この本をつくった理由

吉田さんは32歳まで「エホバの証人」の信者でした。

しかも、ご両親ともに熱心な現役信者で幹部クラスの方なのです。

 

最終的には教団を離れた吉田さんですが、4歳から両親の布教活動に同行していました。

13歳で自ら入信を決意。

その後も教団のエリート街道を、まっしぐらに走っていました。

 

エリートだけが選ばれる「僻地への布教活動」に燃え、沖永良部島へ。

そこで、心を病んだ信者と出会います。

 

幸せになるための信仰なのに、なんで信者がこんな風になってしまうのだろう。

 

はじめは砂粒のようだった疑問は、月日を重ねて小石に。

そして、大きな岩石となって吉田さんを押しつぶしそうになりました。

 

やめようか。

 

やめたら両親、そして妹とも会えなくなる。

外の世界で、自分が生きて行けるのか?

やっぱり、このままここでやっていこうか。

 

8年ほど迷った挙句、やめるしかない、と決断しました。

 

やめた人の多くは「人生を返してくれ」という恨みを抱えています。

やめたいのにやめられず、モヤモヤしている人もたくさんいるでしょう。

 

吉田さんは、エホバの証人も両親も恨んでいません。

あの世界にいたからこそ、ご両親への感謝でいっぱいなのです。

 

この気持ちを、なにかの「かたち」にしたい。

あの世界にいたからこそ、得たもの。

 

恨みの反面にあることに、気づいてほしい。

外に出るのは、本当に怖かった。

 

でも、世の中には本当にいろんな人がいて、いろんな悩みや考え方がある。

教団の中で想像していた世界とは、まったく違ったんですね。

 

いろんな人に会って、たくさん話したり聞いたりして、少しずつ変化していく。

宗教二世だったという宿命は変えられませんが、これからの運命は変えられます。

 

自分で自分の運命を手繰り寄せる。

すると天命(自分の使命)が見えてくるはずです。

 

吉田さんの使命は、この本をはじめ、ご自身の活動を通して悩める宗教二世を元気にすること。

 

そう決意したものの、ご両親や教団の友人たちを裏切ることになる。

何度も、出版をやめようか、と思いました。

 

迷って迷って迷った末に、出版することを決意しました。

 

ご両親や友人たちへ、感謝の気持ちを素直に伝えることが、悩みの渦中にある宗教二世人たちの役に立つと思ったからです。んじゃないか、そう思っています。

 

お父さまは吉田さんに

「信をとれ(相手の信用に背かないように努めよ)」

「自分の生き方に責任をもて」

「胸を張れ」

と教えてくれました。

 

また、お母さまは常々、口癖のように

「人のため」

と言っていました。

 

ご両親は、言葉通りに生きてきた。

これからも変わらないでしょう。

 

吉田さんは、教団を離れたのち、改めて

「人のために」

「信をとり」

「自分の生き方に責任をもち」

「胸を張って」

生きていこう、と誓っています。

 

小学校時代のエピソード

著書の中から、小学校時代のエピソードを一部ご紹介します。

 

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エホバの証人は聖書の教えに忠実な教団なので、異教のことは一切やってはいけないんです。

 

たとえばお正月っていうのは、神道の風習だからNGです。

 

お年玉はもらえないし、おせち料理もないし、「あけましておめでとうございます」って言えない。

 

クリスマスは、キリスト教系だけど他の宗教だから、これもNG。

 

プレゼントなし。

ツリーなし。

学校でクリスマス会とかあっても参加できない。

みんなが輪になってプレゼント交換してるのを、横でポツンと見てるだけ。

 

あとは誕生日ですね。

 

褒め称えるべきは神様エホバと、その子イエス・キリストだけ。

個人の誕生日を祝うことは、個人を褒め称えることになるからNGなんです。

 

ぼくの記憶では、両親から一度も誕生日を祝ってもらっていない。

 

学校では、みんなお互いに「おめでとう!」って祝ったり、お誕生会とかあるじゃないですか。

あれが最初、すごい不思議で。

「あかんのに…」って思ってましたね。

 

友だちの誕生パーティーに呼ばれても断ってましたし。

 

ひな祭り、子どもの日、七夕、お盆とかお彼岸、そういう日本古来の季節の行事は、すべて神道に由来するということで。

 

つまり、異教の行事ですから避けるべきものなんですね。

教団の中では、当然のことなのに学校では自分だけが変わっている。

 

「あ、みんなの方が一般的なんや」「自分は少数派なんや」って気づいたんです。

 

給食で思い出すのは、クジラ肉が食べられなかったこと。

クジラ肉は血が混じっているから食べられないんです。

 

聖書に「血を避けましょう」っていう一文があります。

 

これは、エホバの証人では「血を取り入れてはならない」という解釈なんですね。

 

その解釈が輸血拒否につながって、ニュースになったりしましたよね。

もちろん献血もできません。

 

クジラは、血が混じった肉だということで、クジラを食べてはならない。

母が献立表の中にクジラを見つけると、「先生に食べられないと言いなさい」と言われました。

 

学校で先生に、「ごめんなさい。ぼく、食べられません」って言う。

すごく恥ずかしかった。

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神のしもべから探偵へ

この世界を知っている人も知らない人にも、読んでいただきたい作品です。

TOMOKO編集作品です。

 

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2023年12月4日に日本でレビュー済み

作者の妹が先天性の疾患を持って生まれてきたのをきっかけに両親がエホバの証人に入信。物心着いた頃には、作者も宗教2世としての活動。

その教団エリートとして活動していた作者が、活動に疑問を持つ心境や、新しい世界にひとりで踏み出す不安、教団を辞めることによって生じる家族との決別などが描かれています。

教団をやめても、家族に会えなくなっても、家族に対する愛情は消えることなく、また、教団にいた過去も糧として進んでいく作者の生き様が素敵です。

同じように宗教で悩む2世の方にも向けて書かれた本です。

【Amazonレビュー投稿より】