この記事は
1:Kindleで1冊出版したことがある。
2:英語版Kindleを出版してみたい。
3:英語が得意ではない。
4:費用はかけたくない。
以上4つの条件に全て当てはまるという、超レアな人のためのものです。
英語上級者には向きませんので、その点ご了承ください。
でも、ちょっと出版に興味のある人には、楽しんでいただけるかもしれません。
私が英語版Kindleを出版した理由
英語版の元になったのは、「おれの蕎麦が名店より旨い七つの理由」という本です。
主人公は、タケダ・マサオさん(仮名)50代後半(出版当時)。
私の裏稼業、整体のお客様であり、美味しいお蕎麦を食べさせてくれる友人でもあります。
整体しながら話を聴いていると、結果として心理カウンセリングになってしまうことは、よくあるのです。タケダさんも、このパターン。
で、あまりに旨い蕎麦のことと、カウンセリングの話をまとめて、一冊の本にしよう!
ということで、カテゴリ不明の、不思議な本ができました。
発売当初は「男の料理」部門で、かなり健闘しまして…。
ご存知かどうか、「俺は主夫。職業、現役Jリーガー」大久保嘉人著に次ぐ、ランキング2位を維持してくれた、頼もしい本です。
ところでタケダさんは日本人ですが、友人知人に英語を母国語とする人が多いのです。
タケダさん宅に招かれ、蕎麦をご馳走になるメンバーも、日本大好き!日本食大好き!という人が多い。
タケダさんのことが書いてある本が、あるんだって?
読みたいから、英語にしてよ!
という話になったわけです。
私は英語が得意ではないので、同時通訳業の友人や、英語圏でCAを続けている友人などに相談しました。
通訳業界とか、翻訳業界というのは、担当領域の区分が厳密なのだそうで。
たとえば「医療機器」とか、「10代向けアパレル」とか、「1960年代製造のジャガー」とか、得意分野があるらしく。
プロ意識ですね。
そこいらの、訳わからん本の翻訳とか、NGなんですって。
そうかぁ…。
じゃ、クラウドソーシングというやつですか?
ココナラとか、ストアカとか、なんかそういう系の…。
で、見積り以前に、これは無理だと思いました。
相場的には、1文字あたり20円、最低価格が1文字4円。
「おれ蕎麦」の原稿が、約4万文字ですから、ざっくり16万円です。
それなら、自分でやってみるか…と思ってしまったんですねぇ。
英検2級の壁
昭和の時代、英検には準2級というのが存在しませんでした。
なんか、準2級の上に、準2級プラスというランクもできたそうですね。
我々の時代は、英検3級に合格したら、次は英検2級だったのです。
私の場合、中学2年の頃に、全方位的に壁にぶち当たり、勉学の道から撤退したのですが。
英検2級の試験で、何も、ほぼ何も、分からなかったことも、ひとつの大きなダメージとなりました。
というわけで、私は今も英検3級です。
英語が通用する国へひとりで行って、泊まって、買い物して、食事して、なんとか帰ってくることができます。
けど、病院とか、警察とか、そういう緊急事態が発生したら、翻訳アプリに頼るしかありません。
そんな私が、英語の本を自力で出版するなんて、まったく乱暴なことを思いついたものです。
翻訳アプリDeepL
ChatGPTが世の中にデビューしたのは2022年11月。あっという間に、一般人もAIになじんでしまいました。
超アナログな私でも、さすがにChatGPTの存在は知っているし、「翻訳してね」とお願いすればいいのだと、理解はしています。
Notebook LMなんかも、ちょっと使ってみました。
まとめ力、すごいです。
でも、なんだか面白くない。
これからも、あんまり使わないかなぁ。多分。
さて、英語版出版のために使ったのは、DeepL(ディープラーニング)です。
これ英語で何ていうんだっけ?的に使うのなら、無料版で十分いけます。
翻訳候補もたくさんあって、自分にフィットする表現が選べるところが優秀。
翻訳できるテキストの文字数・ファイル数・容量などに上限があります。
あとは、翻訳された文章を編集できないところが不自由ね。
1ヶ月あたり5ファイル(計10MB)まで翻訳可能。
翻訳後の文章を編集できます。
あとは「用語集」というのが使えます。自分だけの翻訳辞書みたいなものですね。
最大5ユーザーということなので、5つのアカウントを作れば5倍使えるのかしら?やってみたことはないけど。
2025年1月5日現在、月額1,380円(年間契約で月あたり1,150円)。
20ファイル(計20MB)まで翻訳、編集可能。
2025年1月5日現在、月額4.500円(年間契約で月あたり3,750円)。
という具合です。
Starterも、Advancedも、30日間無料体験できますが、まずは無料版で、ある程度まで慣れてから、有料版に移行するのがおススメです。
私の場合は、翻訳文字数を考えると、Starterでは追いつかないので、Advancedの契約をしました。
でも、30日以内に全貌が見えてきたので、いったん解約し、Starterで数ヶ月、あとは無料版に助けてもらいました。
翻訳・いったり・きたり
で、DeepLをどう使うか、ということなんですが。
とにかく、日本語の原稿を、全部ワーッと英語に翻訳するわけです。
英語が得意でない私たちは、翻訳された英語が、どの程度のものか判断できません。
なので、この正体不明の英語を、日本語に翻訳してみます。
あらららら。
めちゃくちゃな日本語になります。
ここで、英検3級なりの英語力を駆使して、英語を修正しよう…などと考えてはいけません。
無理です。
①日本語→②英語→③日本語
この③日本語だけをチェックします。
①日本語からは、想像もつかない、笑える日本語の部分。
ここだけ、超シンプルな表現に変えます。
これなら、DeepLが誤解しないだろ!
...っていうところまで、単純な日本語にして、④日本語を作成します。
③日本語→④日本語...ここは、人力でがんばります。
それから、またDeepLに頼る。
④日本語→⑤英語
で、また⑤英語→⑥日本語→⑦シンプル日本語→⑧英語
と繰り返す。
英語から日本語に翻訳したときの、日本語のへんてこりんが、だんだん減ってきます。
今日は、このへんで。
つづきは、また。
ちなみに、完成品はこちらです。
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