沈黙の力
「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉がありますね。
諸説ありますが「沈黙には多くを語る以上に価値がある」とか、「言い訳するより黙っていた方がまし」というような解釈が一般的です。
金より銀の方が高価だった時代の言葉なので、実は「黙っているより、ちゃんと説明した方がいい」という説もあるそうです。
日本的価値観で「沈黙こそが美徳」だと捉える場合もあります。
由来は、19世紀イギリスの評論家であり歴史家、カーライルの著書「衣装哲学」。
「Speech is silver, silence is golden」という文章なんですね。
私の個人的な見解ですが「AはBであり、CはDである」と言っているだけで、AとCを比較してはいないような気がします。
余計な一言で失敗することもあります。
その一言が言えなくて失敗することもあります。
カーライルは「最大の失敗は、失敗したと自覚しないことだ(私的訳)」とも言っています。
黙ってさえいれば他人を傷つけない、とは限りません。
が、言葉に他人を傷つける力があるのも、確かなことです。
私たちの多くは、自分の考えを人に伝えたい欲望をもっているようです。
おそらく、人に自分を認めてほしいから。
なのに、自分を認めてもらいたくて発した言葉が、自分の評価を下げていることもある。
どれだけ黙っていられるかが、自分を高めることもある。
沈黙と雄弁を、そのとき、その場に応じて使い分けること。
失敗を繰り返しながら、沈黙と雄弁のバランスを調整していくこと。
銀色に光る言葉を紡いでこそ、金(ゴールド)的沈黙の力が発揮されるのかな、と思います。
嫌われる価値
みなさまご存知の「嫌われる勇気」は、日本で300万部、世界で1000万部を超えるベストセラーとなり、今も売れ続けています。
かなり大雑把に捉えると、以下のようなテーマを扱っている本だと思います。
・人生をより良く生きるためには、自分の価値観で生きることが大事。
・他人の評価や感情に振り回されず、自分の行動と選択に集中する。
・他人のために生きることを意識すると、人生の幸福が深まる。
以上を踏まえて、「嫌われる」ことの価値について私見を述べます。
まず言霊・数霊から「キライ」という音のメッセージを確認しましょう。
「キライ」は、ひとつの強力な磁場・エネルギーのたまり場のような力をもちます。表面に渦巻くネガティブな波動を捉えることによって、奥に潜む真実が明かされます。愛に気づくために「キライ」という言霊が存在するとも言えます。
私たちの中に「嫌い」という感情があるから、誰かを好きになったり、愛や感謝の気持ちを体験できるのかもしれません。
「嫌われる」という体験によって自分の中にある真実に気づくこともあるでしょう。
相手にとっても、誰か(私)を嫌いだと感じる体験によって、新しい気づきがあるはずです。
嫌われることには、価値がある…というわけです。