なぜ、これをかわいいと言うのか?
わけわからん…。
と思っていた人が、一人でも「あ、そういうこと!」と気づいてくれけたら。
多くのコミュニケーション問題が解決するのでは…。と思って書いてきました。
今回は、これまでの学びを活かし、コミュニケーション上級者の対応事例を紹介します。
かわいいに隠された意図を読み取り、適切な対応を考えながら、お楽しみください。
・言葉に反応しない
・解釈しない
・否定しない
・ムダな質問をしない
- 【ケース1】女性AAと男性BB・恋人未満
- 【ケース2】年上女性BAと男性BB・友人
- 【ケース3】女性CAと男性CB・カップル
- 【ケース4】女性HAと男性HB・カップル
- 【ケース5】女性JAと男性JB・夫婦
- おまけ
【ケース1】女性AAと男性BB・恋人未満
※AAが女性。ABは男性。AAはABを彼氏候補とみなしている。もちろん上級者ABは、AAの気持ちに気づいているが、態度保留中。
AA:見て、これ!
AB:おー!
※相手の語調に合わせる。見せられたものが、何だかわからなくても良い。相手が嬉しそうなら共に喜び、悲しそうなら共に沈む。
AA:生まれたんだよ~。
AB:かわいいね〜。
※彼女より先に「かわいい」を繰り出すのは上級者テクニック。
AA:かわいいでしょ。
AB:ほんっと、かわいいね。
※「かわいい」を復唱することで、共感が高まる。
AA:見に行かない?
AB:いいね。
※都合が悪い、または気が乗らない場合も、とりあえず一度OKする。
AA:今なら会えるから。
AB:うん。あ、ごめん。今日これから用事があるんだよね。明日以降は、どんな感じ?
※断るときは、代案を提示。結果として断るつもりなら、質問だけにしておく。
AA:えっとね、退院は一週間後だって。午後3時から7時まで面会できるから。
AB:わかった。それじゃあ時間ができそうだったら連絡するね。
※笑顔で。
AA:了解!待ってる!
結果:良。彼女の機嫌を損ねず、今日の誘いを断ることができました。
はい、次!
【ケース2】年上女性BAと男性BB・友人
※BAが女性。BBは男性。ふたりは親しい友人。
BA:あいかわらず微妙な色、着こなしてるね。
BB:サンキュー。
※ほめられた?けなされた?彼女の意図が不明な場合は、とりあえず感謝しておく。
BA:すごく似合ってるよ。
BB:そう?ビミョーかも、って思ってたけど。
BA:微妙さを褒めてるの。何ともいえず美しく、味わい深い。辞書で調べたら書いてあるから。他に「複雑」「どちらともいえない」「ほんの少し」とかの意味があって、「否定的婉曲表現」にも使う。
BB:さすが。
※説教好きの女性の説教は、褒める。説教好きの男性も、とりあえず褒める。
BA:靴が決め手だね。
BB:これね、今日の一押し。お目が高い。
※服飾を細かくチェックする女性は、自分のセンスを高く評価している。彼女のセンスを褒める。
BA:その靴かわいい。
BB:ありがとう。そのバッグもいいよね。かわいい。
※「かわいい」には「かわいい」でお返しする。「ありがとう」も追加されて大変よろしい。
BA:ありがとう。これ、いいでしょ?
BB:似合う。かわいい。
※ダメ押しの「かわいい」が効いている。
BA:今日、天気いいよね。ちょっと散歩しない?
結果:良。「かわいい」を使いこなし、彼女の気分が良くなりました。
はい、次!
【ケース3】女性CAと男性CB・カップル
※CAが女性。CBは男性。カップル。会話に出てくるCCはCAの友人女性。
CA:プチ整形しよっかな。
CB:どうしたの?
※プチ整形という言葉に引き込まれず、彼女の不安定な状況を察知している。
CA:CC、整形するんだって。
CB:ビックリだね。
※CCの整形ではなく、彼女が衝撃を受けていることにフォーカス。
CA:目、二重にするって。
CB:そうなんだ。
※余計な言葉を挟まず、話を続けるよう促す。
CA:かわいいよね、CC。
CB:どうしたんだろうね?
※彼女が女友だちを褒める言葉には、基本的に反応しない。曖昧かつソフトに返す。
CA:CCって、ほんとかわいいよね。
CB:スタバでも行く?
※あくまでCAの気分を優先。CCについてコメントしない。
CA:あんなにかわいいのに、なんで整形なんかするんだろうね。お金も結構かかるだろうし。自分の顔にメスを入れるとか、信じられないよね。
CB:行かない?スタバ。
※気分と場所を変えてから、彼女が本当に話したいことを聞く。
CA:うん。行く。
結果:優。彼女の動揺を察知しています。彼女の友人がかわいいかどうかについて、コメントしなかった点も優れています。さらに、彼女の中に生じた悪意をやわらげ、安心感を与えた、大変良い例です。
はい、次!
【ケース4】女性HAと男性HB・カップル
※HAが女性。HBは男性。カップル。公園でピクニック・デート中。
HA:ジャーン!かわいいでしょ!
HB:おー!
※相手の語調、「見て!見て!」という気分に反応する。
HA:ね、かわいいでしょ!
HB:感動!
※とにかく喜ぶ。
HA:あとでスタバ行かない?今度の、すっごくかわいいから。
HB:いいね。チェックしに行こう。
※相手が関心を示したものに、関心を示す。
HA:あの子(子犬)、かわいいね。
HB:ほんとだ!
※彼女の目を見る。
HA:飼い主さん(高齢男性)も、かわいいよね。
HB:(無言)
※困ったときは余計なことを言わず、彼女の目を見て微笑む。
HA:かわいい。なんか、かわいい!って感じ。
結果:優。相手は、共感を得たことに満足し、リラックスしています。かなりのコミュニケーション能力が発揮されました。
はい、次!
【ケース5】女性JAと男性JB・夫婦
※JAが女性。JBは男性。結婚3年目の夫婦。
ふたりの脳裏に「離婚」の文字がちらつくこともある。
JAは内心「もう、これ以上は無理かも」と諦めかけ。
一方のJBは現状維持と関係改善を願っている。
JB:ただいま!
※倦怠期こそ大切なのは、笑顔と明るい声。
JA:おかえり。
JB:お疲れ様。
※優しくされたければ、こちらが先に優しく労う。
JA:あなたも。お疲れ様。今日は早かったんだね。
JB:うん。水曜日だからね。残業禁止!
※何度も説明していることでも、妻が認識していなければ、また伝える。
JA:あ、そうだったよね。コンビニ寄ってきたら、夕飯作り回避できたのに残念(笑)。
JB:そのつもりで帰ってきたから、今日は作るよ。
※ルール(先に帰宅した方が夕飯を作る)は変更しないが、今日は例外とする。柔軟な対応。
JA:いい?ありがとう。
JB:オッケー!
※妻から久しぶりに聞く「ありがとう」を、素直に喜ぶ。
JA:そういえば、プリンターが、また印刷エラーになったんだけど。
JB:あ、ごめん。そうだった。見てみる。夕飯の後でも大丈夫?急いでる?
※妻の「また」という表現から、「前にも言ったけど」「いつ見てくれるの?」という意図を察知。まず「ごめん」。それから緊急度の確認を忘れない。質問や確認の前に「ごめんね」「ありがとう」を使うのは、大変よろしい。
JA:土日は少し家で作業するから。それまでに。
JB:わかった。今日ダメだったら、もう買い換えよう。
※担当分野については、自分で即決する。
JA:うん。黒だと埃が目立つから、白にしてね。
JB:了解。
※即決できる要望は、その場でOKする。
JA:あのさ。
JB:ん?どうした?
※妻が言いよどむ。つまり楽しい話ではなさそう。だからこそ、優しく聞き返す。
JA:この間、インスタ見てた子。後輩とか言ってたでしょ?
JB:そういえばさ、インスタの写真ってさ、実物と違うよね。
※他の女性の話題が出たら要注意。一般論にすると、危険を回避しやすい。
JA:すごくかわいい子だよね。
JB:見る?みんなアプリで写真撮るから、すごいよね。
※見せて安心。猜疑心をやわらげる。引き続き一般論で。
JA:かわいいと思わない?
JB:アプリ、最強。
※間接的に否定する。強固に否定すると、疑惑を招く。
JA:そんなに違うんだ。
JB:よし!夕飯作る!
※妻がトーンダウンしたところで、話題を変えてしまう。
JA:じゃあ、お願い。私ちょっとコンビニ行ってくる。食パンと卵。あと、何かいる?
JB:今日のデザート頼む。おまかせで。
※妻はスイーツ大好き。頼まなくても買うだろうが、お願いする。
JA:オッケー。
JB:あと、もうひとつ。頼みごと。
※妻の嫌がる案件。直球でお願いするのが得策。
JA:なぁに?
JB:来週。うちの母親の誕生日。一緒に行ってください。頼む。
※とにかくお願いする。
JA:来週だよね。わかってる。
JB:サンキュー!
※お礼を言う。ほどほどに喜ぶ。喜び過ぎは逆効果。
JA:プレゼント、悩ましい。
JB:だよね。毎年すんません。
※妻には負担だと認識している。が、協力してもらいたい。
JA:お義母さん、かわいいもの好きだからね。私はかわいいもの苦手だし。
JB:そこをさ、頼むよ。
※拝み倒す。甘える。誠心誠意お願いする。
JA:オッケー。じゃ、日曜日、一緒に買いに行こうか。
JB:サンキュー!あ、夕飯、急いで作らなきゃ。
結果:優。上級者は、楽しくない話題をも、円滑なコミュニケーションにつなげてしまうのです。
事例は、以上です。
おまけ
最後に、褒め方について軽く触れておきます。
褒め上手になるための参考にしてください。
1:外側から褒める
・髪の毛の艶、ヘアスタイル
・目の輝き
・口紅の色
・服や持ち物の色・形・組み合わせ
・コロンなどの香り
・立ち姿勢
・座り方
・食事の仕方
・ふとした仕草…など。
2.内側から褒める
・優しさ
・穏やかさ
・気配り
・勇気
・控え目
・機転・気が利く
・知恵・知識
・洞察力・観察力・想像力
・安定感…など。
3.外側および内側の変化やギャップを褒める
・外側の例:ロングも良かったけど、ショートカットも似合うね!
・内側の例:ちょっと怖そうって思ったけど、話しやすくて安心した。
…など。
4.ざっくり褒める
・すごい!
・さすが!
・おー!
…など。
5:「かわいい」で褒める
上記1.~4.の全てのケースは、「かわいい」を使って表現できます。
というわけで、「かわいい」シリーズを終わります。
ありがとうございました。